原田悠自
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に開いた夕食会の費用を収支報告書に記載しなかった事件で、東京地検特捜部は27日、捜査時点で収支報告書の保存期間が切れて原本が廃棄されていた1年分について、元公設第1秘書(61)を再び不起訴(嫌疑不十分)とした。検察審査会の「不起訴不当」議決を受けて再捜査したが「十分な証拠が得られなかった」としている。
時効は5年 でも保存期間は3年
特捜部は昨年12月、2016~19年の4年分の収支報告書に夕食会の収支を記載しなかったとして、元秘書を政治資金規正法違反(不記載)罪で略式起訴した。15年分も同罪の時効(5年)は未成立だったが、原本が廃棄済みのため不起訴とした。東京第五検察審査会は今年3月、「他の証拠で(不記載の)事実を認定できる」として不起訴は不当と議決していた。
検審は不記載の罪の時効は5年だが収支報告書の保存期間は3年というズレを問題視し、時効成立までは原本を廃棄しないようにする法改正なども求めた。(原田悠自)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル