安倍晋三首相は14日、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、首相官邸で記者会見を開いた。延期論が出ている東京五輪・パラリンピックについては予定通りに開催をする意向を見せ、26日の福島県での聖火リレー開始に立ち会うことにも意欲を示した。一方、13日の改正新型インフルエンザ等対策特別措置法の成立により可能となった緊急事態宣言については「現時点では宣言する状況ではない」と話した。
トランプ米大統領が「1年延期すべき」と発言したことで、一気に延期論がわき上がった東京五輪。会見の冒頭発言で安倍氏は五輪に関しては触れなかったものの「予定通り開催できるのか。延期、中止の可能性はあるのか?」との質問を受け、「とにかく新型コロナウイルス感染拡大を乗り越えて、予定通り開催したい」とようやく口を開いた。
26日に福島県で予定される国内聖火リレーのスタート式典には「立ち会いたい」と強調。また、13日にトランプ氏と行った電話会談の「開催に向け、努力していると説明した。日米で大会の成功に向けて協力していくことで一致した」との内容に触れ、会談では「延期や中止は一切話題になっていない」と説明した。
ただ、開催可否判断の期限や基準については具体的に踏み込まず。「国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は五輪成功のために努力すると発言している。その方針の下、IOCなどと連携して対応する」と話すにとどめた。
一方、全国的かつ急速なまん延を理由に首相が判断する緊急事態宣言を出す段階には来ていないことを強調。「(感染者が)急激なペースで増加している諸外国と比べて、日本では抑えられており、一定程度持ちこたえている」という専門家の見解を理由とした。
慎重な姿勢を崩さなかったのは、宣言が国民の私権制限につながりかねないとの懸念があるためと考えられる。とはいえ、「必要であれば法律上の措置を講じる」と今後の状況次第では宣言の可能性も示唆。「その際には専門家の決定に従い、背景も含めて私が説明する機会を設けるなど、丁寧な対応を行っていく」と話した。
また、日経平均株価暴落などを受けた緊急経済対策については「一気呵成(かせい)に、これまでにない発想で思い切った措置を講じる」との決意を示した。与野党から意見が出ている消費税率引き下げの可能性については「世界経済の動向を注意深く見極めて、さまざまな可能性を想定する」と明確に否定しなかった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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