安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に開いた夕食会の費用を安倍氏側が補塡(ほてん)した問題で、配川(はいかわ)博之・元公設第1秘書(62)らが、補塡は選挙区内での違法寄付にあたると問題視されることを懸念して意図的に収支報告書への記載を避けたと、東京地検特捜部の調べに供述していたことが、刑事確定記録で分かった。
朝日新聞は、配川元秘書が政治資金規正法違反(不記載)罪で罰金刑を受けた事件について、刑事確定訴訟記録法に基づいて記録の閲覧を請求し、地検が許可した複数の秘書、事務員の供述調書や捜査報告書を2日に閲覧した。略式起訴された配川元秘書の裁判手続きは非公開の書面審理だったため、今回の閲覧によって具体的な経緯や供述内容が明らかになった。
山口県下関市の地元事務所を統括していた配川元秘書と東京の秘書の供述調書によると、夕食会は、配川元秘書が2013年2月ごろに後援会幹部の要望を受けて提案した。主催は配川元秘書が代表を務めた政治団体「安倍晋三後援会」(同市)だったが、開催場所となる東京都内のホテルとの交渉は東京・永田町の議員会館事務所が担った。
地元秘書「何をやっているんだ東京は」
東京の秘書の調書によると、この秘書は参加者1人あたりの会費を5千円に設定したが、「当初から会費では賄いきれず、差額を後援会で負担する可能性が高い」と考えた。一方で「(差額負担は)公職選挙法上の寄付に当たるのではないかという問題意識があり、そのまま収支報告書に載せればマスコミにも取り上げられ、シビアな問題になる」と懸念した。
「適法な打開策」は見いだせず、「収支報告書の作成責任者の配川に任せるほかない」と「問題解決を先送り」し、配川元秘書に電話で相談したという。
配川元秘書の調書によると、配川元秘書は地元での宴会でも寄付の禁止規定に常に注意を払っていたという経験から、「何をやっているんだ東京は」「議員会館事務所が詰めの甘い対応をしたせいで、地元にしわ寄せが来た」と不満を持った。とはいえ会費の増額は難しいと考え、「到底、実際の収支は載せられない」と東京の秘書に同意したという。
背景に「キャバクラ」報道
東京の秘書は調書で、マスコ…
【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル