「少なくとも議論は行うべき」が国民の審判
21日に投開票された参院選で、自民党と公明党の与党側は改選議席の過半数である「63」を上回る71議席を獲得した。
安倍首相は「我が党としても、3年前の参院選を上回る議席をいただいた。参院選で3回連続でこれだけの議席を得ることができたのは、大平正芳、中曽根康弘総裁以来。衆院選を合わせると、6回連続で国政選挙で自民党への強い支持をいただくことができた。身の引き締まる思いだ」と自らが総裁になってからの選挙の戦績を誇った。
安倍首相が掲げる憲法改正については、改憲案を審査する国会の憲法審査会で野党側の協力が得られず、ほとんど開かれず議論が行われていないと指摘。選挙結果を踏まえて「少なくとも議論は行うべきである。それが国民の審判だ」と強調し、「野党にはその民意を正面から受け止めていただきたい」と訴えた。
自民党としては、(1)自衛隊の9条への明記、(2)緊急事態条項、(3)参院選の合区解消、(4)教育の充実――といった憲法改正に向けた4項目のたたき台を提示している。安倍首相は「この(自民党)案だけにとらわれることなく、柔軟な議論を行っていく考えだ」として、「立憲民主党をはじめ、野党の皆さんにも、それぞれの案を持ち寄っていただき、審査会の場で憲法のあるべき姿について活発な議論をさせていただきたい」と呼びかけた。
今回の参院選では、与党の自公両党と改憲に前向きな日本維新の会のいわゆる改憲勢力で3分の2の議席数(164)を確保することはできなかった。それに関しては「いわゆる改憲勢力が決まったわけではない。たとえば(立憲民主党の)枝野さんも『安倍政権の下での改憲議論はしないと言ったことはない』と党首討論で言っていた。(今回の参院選で)新たに登場した政党もあるし、受かった無所属の議員もいる。また国民民主党の中には憲法改正について議論すべきだと考えてる議員もたくさんいると私は考えている」と語り、「議論を深める中で、与野党の枠を超えて、3分の2の賛同が得られる改正案を練り上げていきたい」との考えを示した。
自らの自民党総裁「4選」については「党則で3選までと決まっている、4選は全く考えていない」とあらためて否定。次の解散総選挙については「解散については全く考えていないが、あらゆる選択肢を排除することなく、まずは選挙で約束したことを実行していきたい」と述べるにとどめた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース