政府対応「評価する」「評価しない」ともに41%
新型コロナウイルスについて、朝日新聞の世論調査では2月と3月に同じ質問をしました。
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【あなたは、新型コロナウイルスをめぐる、これまでの政府の対応を評価しますか。評価しませんか。】
▽評価する
2月=全体(34%)/内閣支持層(51%)/内閣不支持層(21%)
3月=全体(41%)/内閣支持層(66%)/内閣不支持層(20%)
▽評価しない
2月=全体(50%)/内閣支持層(36%)/内閣不支持層(64%)
3月=全体(41%)/内閣支持層(20%)/内閣不支持層(67%)
*その他・答えないは省略。2月調査は2月15、16日、3月調査は3月14、15日に実施
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政府対応について、2月調査では「評価しない」方が多かったのですが、3月調査では「評価する」が増え、「評価する」と「評価しない」がともに41%で割れました。
支持層別でみると、内閣不支持層の評価は、ほとんど変わらず、低いままでした。
一方で、内閣支持層では「評価する」が大きく増えています。2月調査では4割近くが「評価しない」と答えていた内閣支持層の「辛口」評価を変化させる影響を与えたと思われるのが、一連の「首相判断」でした。
「首相判断」で支持層は「甘口」に
首相は2月下旬、全国的なイベントの自粛や小中高校の一斉休校を唐突に打ち出しました。学校の一斉休校は政府の専門家会議に諮らないまま表明したものでした。
さらに、3月に入って中国と韓国からの入国を大幅に制限する新たな措置を表明しました。この決定を行う際に、首相が事前に専門家会議の意見を聞いた形跡はありませんでした。
こうした「首相判断」について、有権者はどう見ているのでしょうか。3月調査で聞いてみました。
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【新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍首相は全国の小中学校などを、すべて臨時休校にするよう要請しました。あなたは、この要請を評価しますか。評価しませんか。(2020年3月調査)】
・評価する=全体(60%)/内閣支持層(81%)/内閣不支持層(41%)
・評価しない=全体(30%)/内閣支持層(12%)/内閣不支持層(52%)
*その他・答えないは省略
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学校の一斉休校について、内閣支持層では81%が「評価する」と答えました。
一方、入国制限についても評価を聞きました。
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【政府は中国と韓国からの全面的な入国の制限を、3月9日から始めました。あなたは、この入国制限を始めたタイミングは適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。(2020年3月調査)】
・適切だ=全体(26%)/内閣支持層(41%)/内閣不支持層(14%)
・適切ではない=全体(64%)/内閣支持層(52%)/内閣不支持層(81%)
*その他・答えないは省略
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入国制限を始めたタイミングについては、内閣支持層でも52%が「適切ではない」と答え、「適切だ」の41%を上回りました。ただ、「適切だ」は全体で26%にとどまったのに比べれば、首相の支持層の方が、高い評価をしていることがわかります。
そもそも中国の入国制限をめぐっては、首相の支持基盤である保守層が「中国全土からの入国拒否」を強く求め、首相の対応を「中国に甘い」と批判する声がすでにでていました。
それだけに今回の「首相判断」が支持層にある程度好意的に受けとめられた一方、一部の支持層には「遅きに失した」と映ったことで、内閣支持層でも「適切ではない」が過半数という結果になったとみられます。
全体として、首相の支持層の評価は、「辛口」から持ち直す傾向にあるようです。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース