自民党の総裁である安倍晋三首相が7月7日、参院選の女性候補者の応援のため、JR中野駅北口で街頭演説をした。この日、安倍首相が姿を見せると、歓声とともに怒号が飛び交い、一部で衝突もあった。いったい、演説会場はどんな様子だったのか。BuzzFeed Newsは現場入りした。【BuzzFeed Japan / 瀬谷 健介】
今回の参院選では7日現在、自民党のHPで安倍首相の演説日程を公表していない。各陣営の関係者や支持者らに別の方法で伝えているとみられる。朝日新聞によると、2017年の衆院選でも抗議活動やヤジを懸念し、一部を公表しなかったといい、今回もそういった理由があるのかもしれない。
そうした中、ネット上ではハッシュタグ「#会いに行ける国難」で、演説情報が急速に拡散した。
演説会は、午後3時半からの予定だった。記者が到着したのは、その1時間ほど前。すでに多くの支持者らが集まっていたが、政権に批判的な人が声を上げたり、プラカードを掲げたりする様子は見られなかった。
支援者と見られる人の中には、日の丸を手にした人もいた。混乱が起きないよう、SPや警察官、関係者らが厳重な警戒態勢をとっていた。
待機する報道陣も多かった。報道エリアはすし詰め状態だった。そんな中、自民党関係者はマイクを使って、女性候補者よりも安倍首相の名前を連呼。通行人らに演説を聴いてもらうよう呼びかけた。
演説会が始まった午後3時半ごろ。関係者らが、順次演説を始める。しかし、安倍首相や女性候補者は姿を見せず、支援者の中にも「これが長いんだよなー」とぼやく人もいた。
近くでは「こんな政権本当にもうイヤだ!!」などと書かれたプラカードを掲げる人の姿が目立ち始めた。
そして、安倍首相と女性候補者が姿を見せた。会場は拍手と歓声とともに、「安倍辞めろ!」などのコールが湧き上がった。
政権へのスタンスの違いによる衝突も
大声で抗議する人たちをスマートフォンで撮影する人がいた。それに怒った、抗議側の女性がスマホを地面に叩きつけ、画面がこなごなに壊れるという衝突も起きた。その現場に警察官が駆けつけ、双方の話を聞きながら対応にあたった。
鳴り止まない「帰れ」や「安倍辞めろ!」コール。その声がある場所では、安倍首相による演説の声がかき消され、何を訴えているのかわからないほどだった。そのため、自民党を支持する人々からは「うっせーんだよ。帰れ」「選挙妨害だ」「聞こえないだろ」といった怒鳴り声も上がった。
政権批判のプラカードを掲げる人々の前に立つ自民陣営の関係者がいた。その手に「がんばれ自民党」「安倍総理を支持します」というプラカードが。報道陣のカメラに、批判のプラカードが写らないようにする効果があるように見えた。
批判をする人がいる一方
こうした状況では、足を止めた場所から動かなければ、自民党や安倍首相に反対する人ばかりがいたようにも見える。しかし、こうした騒ぎから少し距離を置き、街頭演説を静かにじっくりと聴き入る人たちも多かった。
自民党による演説会は最後、ガンバローコールで締めて終わった。政権を批判する人々は「嘘つき」「さっさと帰れ!」と厳しい顔つきで声を上げ続けた。
一方で、多くの支持者らは大きく手を挙げ、笑顔で帰っていった。参院選は、7月21日に投開票される。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース