藤牧幸一、浪間新太
静岡県熱海市でおきた土石流をめぐる安否不明者は6日午後7時現在、44人の所在が確認された一方、なお27人の安否が不明のままだ。災害発生からこの間、安否不明者数は揺れ動いた。
市は発生当日の3日夕、問い合わせがあった人数をもとに、「安否不明者は約20人」と発表していた。
だが、正確な実態を把握するため、4日に方針を転換した。住宅地図をもとに被災地域にある建物を130棟として、そこに住民票を置いている人数について、住民基本台帳から215人と判断。避難所に身を寄せる住民らを差し引くなどし、5日午後8時すぎ時点には64人に絞った。
ただ、市内に別荘が多く、居住実態の把握が難しいこともあり、作業は難航。市は県と協議のうえ、情報を募って不明者数をさらに絞り込むため5日夜に64人の氏名と性別などの発表に踏み切った。県のホームページに名簿を載せた。
その結果、市役所には本人や親族から「親戚のもとに身を寄せている」「もともと福祉施設に入所している」などの情報が次々と寄せられた。職員5、6人が交代で夜通し電話対応にあたり、氏名や生年月日などを聞き取って確認。6日夜までに44人の生存が確認された。
斉藤栄市長は6日朝の市対策本部会議後、「情報を公開したおかげで、ここまで絞られた」と話した。また、新たに2人が安否不明であることが判明した。
一方、県は6日、市のまとめとは別に、警察や消防への通報をもとに、連絡が取れない5人の氏名と性別を発表。情報をとりまとめた県警は、この5人について、被災した可能性のある人たちとしている。市とりまとめの22人分と重複はないという。
県のホームページに名簿が公開されている。情報提供は、市とりまとめ分は市災害対策本部(0557・86・6443)、県警分は熱海署(0557・85・0110)へ。(藤牧幸一、浪間新太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル