安心して酔える「思い出横丁」に 20年前の大火事が糧

 昭和の雰囲気が漂い、夜な夜な酔客でにぎわう新宿駅西口の「思い出横丁」。外国人や若者が集まる人気スポットだが、1999年には大火事に見舞われ、多くの店舗が焼けた。あれから20年。横丁は防災対策を強化しようと、クラウドファンディング(CF)で資金集めをしている。

 火事が起きたのは99年11月24日の昼過ぎ。老朽化したトタン屋根や電線を伝い、次々と燃え広がった。「横丁全体で注意していたが、まさかあんなに燃え広がるとは」。新宿西口商店街振興組合副理事長で、横丁ですし屋を営む村上健二さん(70)は振り返る。

 横丁は戦後の焼け跡にできた闇市から発展した。露天商同士が戸板1枚で仕切られていた名残から、2千平方メートルほどの敷地内に約80店舗がひしめきあう。一時期、防災面からビルに建て替え、地下に横丁を再現する計画も浮上したが、地権者がまとまらなかった。

 結局、火事は4時間にわたり続いた。死者は出なかったが、全店舗の約3分の1が全半焼した。村上さんは延焼を知り、約10キロのマグロブロックを抱え急いで避難した。黒煙を眺めつつ、「かつての横丁はもう復活できないかも」と不安に思ったという。

 だが、火災直後から、全国の常…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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