村上友里
フリージャーナリストの安田純平さん(47)がシリアで武装勢力に拘束中、月刊誌「WiLL」の記事で人質ビジネスに加担していたかのように示されたとして、出版した「ワック株式会社」(東京)に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、東京地裁であった。五十嵐章裕裁判長は「安田さんの会見以外に取材した様子はなく社会的評価を低下させた」と名誉毀損(きそん)の成立を認め、同社に33万円の支払いを命じた。
安田さん「妥当な判決だが・・・」
判決によると、ワック社は2018年に発行した「WiLL」の記事で、安田さんが15年から3年以上拘束されたことについて「中東でよく行われている人質ビジネスでは?と邪推してしまう」などと指摘。判決はこの記事が「身代金名目で金銭を得る側に安田さんが加担していたことを黙示的に示した」と説明し、安田さんの名誉を毀損したと認めた。
安田さんは「被告は真実性の説明すら放棄しており妥当な判決だが、賠償金額が低すぎるため誹謗(ひぼう)中傷に対する抑止効果が望めない点で残念と言わざるを得ない」とコメント。ワック社は「現段階ではコメントを控える」としている。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル