官民連携の温泉がオープン 目的は「市民の健康増進」

 三重県桑名市多度町小山に日帰り温泉型の健康増進施設「神馬(しんめ)の湯」が完成し、22日にグランドオープンする。同市が民間提案による「官民連携」の手法で実現させた施設で、市にとっては、大きな公費を投入せずに目的に沿った施設を整備できる利点がある。

 上げ馬神事などで知られる多度大社に近い敷地約1万2400平方メートルに、鉄骨2階建て延べ約2800平方メートルの温泉施設を建てた。駐車場は168台分を確保。入場者が多い場合は、臨時駐車場からシャトルバスによる送迎もする。

 天然のアルカリ性単純温泉で、内湯と露天風呂のほか、10度以下の「極水風呂」、炭酸泉、つぼ湯、ジェットバス、サウナ、岩盤浴などが楽しめる。天気がよければ露天風呂や屋上テラスから名古屋の市街地や岐阜、長野の山並みが見渡せる。130席のレストラン、土産店、キッズスペースなども備えている。

「健康増進施設も、保育園と同じ公共事業」

 市によると、合併前の旧多度町が温泉を掘り、高齢者向けの入浴施設を計画した。2004年、桑名市との合併で計画は新市に引き継がれたが、箱物行政が難しくなる世間の流れもあり、民間の力を借りる方式を検討した。

 16年度に民間の提案を受ける窓口「コラボ・ラボ桑名」を設けたところ、道路関係の土木工事などを請け負う名古屋市の会社「蔦井」が、この地での温泉を活用した健康増進施設の整備、運営を提案した。同社は保育園の整備なども手がけており、「健康増進施設も同じ公共事業」との考えから参入を決めたという。

 施設の建設費約16億円は同社が出し、施設の所有権は同社が持つ。一方、市は同社に土地を貸し、月額約40万円の賃料を得ながら、「市民の健康増進」という目的の達成を図る。

 営業は平日が午前9時~午後11時。金曜と祝日前は夜12時までで、土日祝日が午前7時~夜12時。料金は平日が大人(中学生以上)880円、4歳以上の小人360円。土日祝日は大人1100円、小人420円。問い合わせは神馬の湯(0594・82・5450)へ。(中根勉)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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