定年退職、男性には「ロマン」でも女性には「フマン」――。キャリアコンサルタントでシニアライフアドバイザーの原沢修一さん(72)=埼玉県=の言葉です。定年を機に右往左往する男性と、ぎくしゃくしがちな夫婦関係を見つめてきた原沢さんは「定年は社会からも家庭からも居場所をなくす危機になりかねない。必要なのは、男性の自覚と変革」と説きます。
会社のお膳立てをなくして
退職前後のシニア層を対象に、生きがいをテーマにした講演やカウンセリングをしています。定年退職し、自由になったはずなのに心が満たされない、そんな男性は決して少数派ではありません。
私自身、ソフト制作会社を58歳で早期退職してしばらくは何もやることがなく、暇を持て余していた。しかし、かつての同僚から連絡があれば、つい「結構忙しくてね」なんて見えを張ってしまい、自己嫌悪に陥っていました。
悠々自適な定年後のロマンを思い描いていたのに、朝刊を読み、大リーグ中継を見て、ゴルフの練習に出かけ……。
そんな生活は1カ月で飽きてしまうし、むなしい。傍らにいる妻はどうにも機嫌が悪い。こんなはずじゃなかったのに、と感じていました。
サラリーマン時代は、役割も居場所もロールモデルもすべて会社がお膳立てしてくれて、目の前にエサがぶらさげられていた。ところが定年後の人生は、地図もナビも台本もない。人としてとっくに自立していたつもりが、全然できていませんでした。
退職後、自身も妻との関係に悩んだ経験がある原沢さん。男性たちは「心に巣くうあしき病」と向き合う必要がある、と語ります。
見え、意地…男性に多い「心の4大生活習慣病」
お金があり健康であっても…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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