市役所を定年退職後、京都大の法科大学院で学び、65歳にして司法試験を突破した弁護士がいる。司法試験合格者の平均年齢は20代後半。同期では最高齢の合格から弁護士となって6年。裁判資料を読み込むための3台のパソコン画面は、黒色基調のフィルムカメラのネガのよう。定年後になぜ、勉強法は、見慣れない色合いの画面に囲まれる理由は――。
独学4年で英語ペラペラ、タクシー運転手の最強勉強法
高卒、留学経験なし。30歳で英語の勉強を始め、4年で「ペラペラ」と言われるようになったタクシー運転手がいる。接客の英語力を競う大会では並み居る「強豪」を抑えて優勝し、勉強のノウハウ本まで出した。どのような勉強をしたのか。
一念発起、弁護士への挑戦を決めたのは、定年を2年後に控えたころだった。
福岡県弁護士会所属の吉村哲夫さん(72)はもともと、福岡市役所の職員だった。役所では、五輪の招致や国際スポーツ大会の運営に携わり、市幹部まで務めた。
記事の後半では、吉村さんが難関の司法試験を突破した勉強法を紹介します。公務員ならば誰しもが身につける経験を存分に生かしたやり方がありました。その一方で、受験勉強には欠かせない「あること」も明かします。
気持ちだけは若く 髪形も若者に寄せてワックス購入
公務員としてのゴールが見えた58歳のころ。再就職しても、せいぜい5年。その後の長い余生を過ごす自分が想像できなかった。「死ぬまで続けられる仕事がしたい」。大学は法学部出身。市職員として法務を担当した経験もあり、司法試験にも役立つはずと思った。だが、現実は違った。
大学院で机を並べる若者に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル