兵庫県宝塚市で2016年12月、中学2年の女子生徒が自殺した問題で、市の再調査委員会(委員長=春日井敏之・立命館大大学院教授)は22日、複数の生徒で無視するなど、計25件のいじめ行為があったとする報告書を中川智子市長に提出した。再調査委は「いじめと自死は極めて強い関連性がある」と結論づけた。
この問題を巡っては、市教育委員会が諮問した第三者委員会が18年10月に最終報告書をまとめ、4件のいじめを認めていたが、「いじめ被害と心理的影響の考察がなされていない」などとして遺族側が再調査を要求。市が昨年、弁護士や大学教授など有識者5人で構成する再調査委を設け、関係者から改めて聞き取り調査をしていた。
再調査委が22日に公表した報告書によると、女子生徒は16年9月ごろから、学級や部活動でいじめを受け孤立していった。再調査委は、女子生徒が「ストーカー」などと陰口を言われていた▽ボールを集中的にぶつけられていた▽ほかの生徒が部活のパス練習の相手をしなかった▽パーティーに呼ばれなかった▽LINEをブロックされた、など計25件のいじめを認定。「いじめによって自死したことは明らか」と断定した。
さらに、女子生徒が所属していた部では、別の部員が不登校になるなど女子生徒以外の部員に対するいじめも22件あったと認定。いつも誰かがいじめの標的にされる状況が続いていた、と指摘した。その上で「学年、学校を挙げた支援が行われていれば、当該生徒の重大事態は避けられた可能性が高い」との見解を示した。中川市長は「救える命を救えなかった責任を受け止め、二度とこのようなことがないよう、しっかりと考えていかねばならない」と話した。
女子生徒の遺族は22日、代理人の弁護士を通してコメントを発表。再調査の結果を高く評価し、受け入れるとした上で、「教員一人一人の意識改革、資質向上を進めるのはもちろん、学校システム全体の改革も必要」などと訴えた。(太田康夫)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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