107年の歴史を誇る宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)が、長年続いた生徒間の指導内容を見直した。「先輩は絶対」の価値観で育ったOGたちのなかには、「根本的な改革になるのか」と危惧する声も。一方で「代々の習慣を時代に合わせて見直したという点で意義がある」と識者はみる。
「理不尽なことに耐える精神力は鍛えられましたが、もう二度と戻りたくありません」。元雪組トップスターたかね吹々己(ふぶき)(旧芸名・高嶺ふぶき)さん(54)は、学校生活をそう振り返る。
1981年に首席で入学した69期生。当時から、生徒が阪急電車にお辞儀をするのは当たり前だった。「車掌さんへのお礼の気持ちでした。『私が乗っていたのにあいさつがなかった』と後で本科生から叱られないようにという理由もありましたが……」
予科生に課せられた決まり事で、今回廃止された「予科顔」や「予科語」は、コアファンの間では知られた言葉。ただいつごろ始まったかは分からず、たかねさんにも覚えはない。「そんな不思議なルールはなかったはず。でも本科生に目を付けられないよう、ビクビクおびえる日々だったのは確かです」
指導には個人差があったが、なかには手元の譜面を見ていただけで「寝ていた」と怒る人も。反省文を渡せば「渡し方が気にくわない」と、読まずにその場で破り捨てられたこともある。
多くの音楽学校生たちが暮らす…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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