私は根本的に人を信用できません。人は性悪説に基づいていると思ってしまいます。自分に優しくしてくれる人がいても、すぐ裏があると思ってしまいます。親からは「人を見たら泥棒と思え」と教えられました。善意で始めた事業で成功した人を見ても「随分稼ぐんだろうな」と、財力を幸せの尺度としてしか見られない両親です。
先日、中学生の一人娘が夜中に私の部屋で電気も付けず何か探していたようで、起きた私は「人の部屋でコソコソ何してる?」と、まるで泥棒を見つけたかのように問い詰めてしまい、実の娘を疑ってしまいました。
私はシングルではありますが、仕事にも恵まれて安定した生活を送っております。自分の受けた成育環境を反面教師に、心理学の本を読んだりしてなるべく人に共感するよう努めて娘にも接してきたつもりですが、意識半分で起きたときに無防備な状態で自分の本性を見たようで、ひどく落ち込み、自己嫌悪に陥りました。
娘が自室にこもって宿題をしていると言っても、本当なのか?と疑っています。実の子すら信じられず、こんなことだから、私は人生をひとりで、いずれ子供にも見放され、誰からも愛されないで一生を終えるのかと思ってしまいます。自分の根っこにある邪悪な思いと、どう付き合っていけばよいのでしょうか。ご助言ください。
回答者 歌手・俳優、美輪明宏さん
「人を見たら泥棒と思え」。確かに、ごもっともです。私も若い頃、ある社長から「助けてくれ」と言われてお金を貸したところ見事にやられまして。それで勉強になったことがありました。「お金を貸して」と言われることがあったら、あげたと思って渡すべきですね。もちろん、それでもいいと思える人に対してだけですが。
しかし、全てのケースで人を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル