実は絶好の地、セブ島に天文台を 日本の観測家の挑戦

 惑星の観測で知られる日本のアマチュア天文家が、気流が安定して世界的にも観測に好条件のフィリピン・セブ島に天文台を建設するため、クラウドファンディング(CF)を立ち上げている。アジアの観測拠点として運用しながら、望遠鏡をのぞく機会がなかった島の人々に宇宙の本当の美しさを感じてもらうのが願いだ。

 茨城県常陸太田市の阿久津富夫さん(65)は、半世紀以上にわたって惑星観測を手がけてきた。高解像度の撮影技術を身につけ、2010年に土星の表面に突発的な大乱流が起きた際は英科学誌ネイチャーの論文にデータを提供するなど、世界でもトップレベルの観測家として知られる。

拡大する阿久津富夫さんがセブ島で撮影した木星。鏡筒が短いタイプの口径35センチの望遠鏡を持ち込み、安定した気流の下で天文台の大口径機に匹敵する高分解能の画像を得た=2014年2月24日午後9時43分、フィリピン・セブ島

 本職の歯科用医療器具メーカーの技術者として2003年から約10年間、セブ島に滞在。赤道近くで内海に囲まれ、昼夜の温度差が小さい同島が、台湾や豪州など、好条件で知られる世界各地の観測地を上回る場所だと気づいたという。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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