編集委員・中島隆
「立たない立ち飲みバル」という名のイベントが23日夜、大阪市のレストランで開かれた。店には車椅子が準備され、スタッフも客も全員車椅子に乗ることがルール。午後6時からの4時間でおよそ80人が来店し、大入り満員となった。
飲み物は、車椅子に乗った客がカウンターまで車椅子で移動し、1杯ずつ注文する。料理は、車椅子に乗ったスタッフに注文し、料理を給仕するのも車椅子のスタッフ。すべてが車椅子からの目線で行われた。
大阪市などで酒場をしている辻孝太郎さん(41)は、「うちの店には車椅子の方も来ます。初めて車椅子に乗り、移動する大変さ、スペースの大切さなどに気づかされた。店作りに生かします」と話した。
イベントを企画したのは、5歳から車椅子生活をしている牧野美保さん(34)。彼女は言う。
「最初は車椅子の操作が難しいと言っていたのに、『このまま帰ってもいい?』という方がいらっしゃいました。道の通行や電車利用を車椅子でする、は大変だろうね、という声もいただきました。これから定期的に開催して、質も高めて、たくさんの方に体験してもらえるよう頑張ります」(編集委員・中島隆)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル