吉沢英将 山口啓太
新型コロナウイルスの感染が収まらず、6月20日まで再延長された緊急事態宣言。延長初日となった1日、休業要請が緩和された都内の美術館や水族館は約1カ月ぶりに相次いで営業を再開した。一方、飲食店には、休業・時短要請の厳しい措置が続く。都心の繁華街の店主たちには疲労の色がにじむ。
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1日朝。都立上野公園(東京都台東区)内の美術館や博物館も相次いで再開し、お年寄りや親子連れがお目当ての展示がある建物へと向かっていった。
台東区の会社員三浦覚(さとし)さん(35)は5歳の長女を連れ、上野の森美術館へ。「これまでは出かけるところが限られて公園にしか連れて行ってあげられなかった。やっと別のところに連れて来ることができた」と笑顔をみせた。5月12日以降の美術館の対応では、休業継続を求める都と、再開を主張する国で見解が分かれ、結局、国が都の休業要請に従った。「美術館なら入場制限をかければ『密』にはなりにくい。どうして美術館にも休業要請をかけたか客観的な基準を示してほしかった」とも話した。
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1日から再開した東京スカイツリータウン(墨田区)の「すみだ水族館」。再開にあたり、展示スペースなどのスタッフの配置を増員し、手すりや水槽など客が触れる部分の消毒の頻度を増やした。年間パスポートを持つ江戸川区の60代女性は3カ月ぶりに訪れた。「ゆったり魚を見られて、リラックスできた」。これまでの休業要請について「行政が人の流れを抑えたい気持ちはわかる」と理解を示しつつ、「出かけるところがなくずっと家にいてストレスがたまり、つらかった。水族館は感染リスクが高い場所とは思えず、人数制限で対応できないものだったのか」と話した。(吉沢英将)
東京・新橋 記者が見た休業の店は
都内の飲食店では引き続き、酒類を提供する店には休業を、酒類を出さない店には午後8時までの時短営業が求められる。1日夜、新橋駅周辺を歩くと、1年以上断続的に続く休業や時短営業の「制約」に疲れを口にする店主たちもいた。
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午後7時前、JR新橋駅西側…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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