政府の新型コロナウイルス対応を担う西村康稔経済再生相は14日のNHK番組で、緊急事態宣言の対象の10都府県の新規感染者数の状況について「減少の度合いが鈍化している」と懸念を示した。今後は医師らがワクチン接種も担うことを踏まえ、「医療機関への負荷をかなり下げていく必要がある」とも語った。
西村氏は、1人が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」について、「0・7までぐらいまで落ちたものがまた0・8ぐらいまで上がってきている」と指摘。休日も含めた不要不急の外出自粛などの感染防止措置をめぐり、「もう一段のご協力を」と呼びかけた。
宣言が出ていないときでも営業時間の短縮を命令でき、違反者に過料が科せる「まん延防止等重点措置」をめぐっては、「宣言を解除した後、何かただちにまん延防止等重点措置を使うということではない」と説明。「宣言のもとでしっかりと感染を抑え、病床も安定的に確保できるという状態を作り上げていきたい」と述べた。宣言解除に当たっては、改正特措法で新設された重点措置への移行を前提とせず、宣言期間中に感染状況や医療体制の逼迫(ひっぱく)を十分に改善させることが必要だとの認識を示した形だ。
感染症や経済の専門家らでつくる政府分科会の尾身茂会長は同番組で、変異ウイルスの感染について「日本国内でもだんだん増えていくことはほぼ間違いない」と指摘。変異ウイルスの感染経路の調査などを進めるためにも、全体の感染者数を減少させることが「非常に有効」と述べた。(中田絢子、山本知弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル