いったいどこまで広がるのか――。新型コロナウイルスへの感染者が130人を超えた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号。発熱を訴える人が相次ぐなか、五月雨式に新たな感染が分かるという事態に、船内では不安の声が膨れあがっている。
拡大するダイヤモンド・プリンセス号のデッキから客室につながる階段。乗客の姿はない(2020年2月10日、乗客提供)
乗船している関西地方の男性会社員(60)は10日午後、新たに65人の感染が見つかったことをネットニュースで知った。館内放送も流れた。電話取材に「感染拡大が終わらないのでは」と不安げに語った。
居室のベッドシーツは2、3枚あるストックから自分で交換。トイレ清掃も部屋に備え付けのブラシで自らしているという。9日夜には持病の糖尿病の薬が届き、5日ぶりに服用した。「こんな生活がいつまで続くのか」と話す。
夫と2人で滞在する女性(54)は数日前、38・5度の高熱が出た。関節も痛み、インフルエンザのような症状。診察予約を入れて居室で3時間待たされた後、医務室へ。発熱を訴える人でごった返しており、さらに30分待った。診察後にタミフルを処方されて熱は下がったが、「新型コロナウイルスじゃないか」と不安がよぎった。ウイルス検査を依頼したが、緊急性がないと断られたという。
船内にいる女性の知人は、同じころにインフルエンザA型と診断された。一方で、高熱が出ても丸1日診察してもらえなかった別の知人もいた。「同じ発熱でも対応に差があり、説明が不十分だ」と言う。
乗客有志が6項目の要望
9日には乗客の有志が、船内に…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル