安倍晋三首相が辞意を表明したことで、新型コロナウイルスの感染拡大で延期されている代替わり関連儀式や、その後に本格化するとされた安定的な皇位継承をめぐる議論は、次の政権に持ち越されることとなった。宮内庁関係者からは、安倍首相が一連の代替わり関連儀式を取り仕切ったことへのねぎらいと、残る儀式の挙行や皇位継承議論への影響を懸念する声が上がった。 「譲位による代替わりがつつがなく進むよう方針の決定や特例法の制定など力を尽くしていただき、感謝している」。ある宮内庁幹部は、平成28年に上皇さまがビデオメッセージで譲位の意向を示された後、皇室典範に規定がない譲位のための特例法制定などを進めた安倍首相をねぎらった。 一方、秋篠宮さまが皇位継承順位1位となられたことを内外に示す「立皇嗣(りっこうし)の礼」は、一連の代替わり儀式の締めくくりとして今年4月19日に執り行われる予定だったが、感染拡大を受けて延期された。その後も儀式の日程などについて政府と宮内庁の間で調整が続いてきたが、挙行時期は定まっていない。 別の宮内庁関係者は「首相交代でこれまでの議論が白紙に戻るようなことがあれば、影響は避けられない」と不安を口にする。 また、立皇嗣の礼の後に本格化するとされた安定的な皇位継承をめぐる議論も、儀式の挙行時期が定まらないため、見通しが立っていない。側近部局の職員は「いつ議論が始まるかなど、行政の長である首相の考えで大きく変わってくるので、注視していきたい」と話した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース