宮城県白石市の市立白石第一小学校で防球ネットの支柱が折れ児童2人が死傷した事故を受け、県内の公立校で同ネットなどを撤去、改修する動きが広がっている。全市町村への取材で、16市町村の小、中、高校の32校が撤去・改修を進めていることが分かった。
4月27日の事故後、県教育委員会は学校施設の安全点検を求める通知を出し、全ての公立校で緊急点検が行われた。19日時点の朝日新聞の取材では、32校が施設の撤去・改修を進めている。その対象は、古いジャングルジムや卒業記念で建てられたトーテムポールなど、さまざまだ。
石巻市では、小学校4校で防球ネットの撤去や改修を検討している。ある小学校では高さ約10メートルの木製の支柱の腐食が深刻で、内部が空洞化していた。市教委の担当者は「ここまで放置していたことに驚いた。学校職員が定期的に見て回っていたが、見た目の変化がなく腐食に気づけなかった」と話す。塩釜市の小学校2校でも防球ネットの支柱が腐食し、急きょ周囲を立ち入り禁止にした。
撤去・改修の対象は、遊具やその他の施設にも広がっている。大和町立吉岡小学校では約30年前の卒業記念に建てたとみられる三つの木製のトーテムポール(高さ約3メートル)の撤去を決めた。腐食し、もろくなっている箇所もあった。
近くで児童が遊ぶこともあり、平田喜秋教頭(55)は「いつか倒れる可能性がある。つくった卒業生には申し訳ないが撤去せざるを得ない」。同じように多賀城市、加美町、大衡村の小学校4校でもトーテムポールを撤去する。
涌谷町の小学校2校では、古…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:436文字/全文:1101文字
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル