宮崎県の河野俊嗣知事は新型コロナウイルス感染症の影響で低迷が続く飲食店の利用を促す目的で、20日から県内26市町村の飲食店で地元首長と会食を始める。感染拡大防止のために出された緊急事態宣言やそれに伴う自粛が続いたことで、「県民に自粛ムードがまだ残っている」と知事。自ら飲食店支援に乗り出す考えだ。19日の定例記者会見で発表した。
最初の会食は20日午後6時から、副知事も参加して宮崎市の戸敷正市長と市内の居酒屋で行う予定。参加人数は5~6人にしぼり、距離を保って互い違いに座るなど「新しい生活様式」を採用した形式で会食をするという。会食名は「地域経済懇談会」で、首長らと地域経済の意見交換をする。他の市町村の会食は知事と副知事で分担する。
新型コロナウイルスの影響で、県はいまも県外との往来自粛を呼びかけている。そのため、河野知事は地元消費を中心に経済を支えていく「応援消費」の方針を打ち出しており、今回の企画はその牽引(けんいん)策の一環としている。知事は「知事と首長の会食を公表するのは異例ではあるが、まず首長が動くことで、飲食店の利用を取り戻す考え。首長が動くことで、県や市町村職員も動くことを期待している」と語った。
飲食代は公費で負担する。知事は会食後はすぐには帰らず、ポケットマネーで次の店にも政務として行くという。日帰りが難しい場所で会食する場合は、出かけた先での宿泊も検討している。(神崎卓征)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル