AVを見始め……全裸で
2020年9月15日午後2時半、30代女性のNさんは、CaSyの「キャスト」として、ある男性の一人暮らし宅を訪問した。キャストとは実際に、顧客の自宅を訪ねて、家事代行を行うスタッフのことだ。 CaSyでは利用者が掃除等の依頼を希望すると、CaSyがマッチングをし、業務委託契約を結んでいるキャストに対してその仕事を受けるかどうかを確認。了解を得られればキャストを派遣するという仕組みになっている。 Nさんはそれまで派遣業者、個人請負、CtoCプラットフォーム……と、さまざまな形で10年以上にわたり家事代行をしてきた。CaSyでもこれまで数十件の仕事を受け、9割近くで満点の星5の評価を得てきた。 この日の利用者は、CaSyでの利用が初めてだった。 到着すると事前に知らされていた間取りとは異なり、ワンルームで、部屋の中は「下手したら数年掃除をしていないのではという状態」(Nさん)。 CaSyは、あらかじめ準備してもらいたい掃除道具などを利用者に提示しているが、あったのはハンディの先が細い掃除機のみ。食器も洗えないのでスポンジと洗剤だけでもとお願いし買ってきてもらった。 その後、Nさんが驚いたことに利用者男性は、6畳ほどのワンルームで脱衣場もない中、服を脱ぎ、入浴をし始めた。 その時点で少し怖くなったが、背を向けてもくもくと掃除を続けると、男性は裸で腰に手ぬぐい1枚を巻いた状態で浴室から出てきて、アダルトビデオを鑑賞し始めた。 この時に逃げ出していればよかったのかもしれない。しかし、どうしていいか分からず、Nさんは背を向けて洗濯物を畳み続けた。 気が付くと、男性は近づいて話しかけてきた。振り向くと手ぬぐいはなくなっており、全裸で仁王立ちをする男性がいた。全裸であることに気づかないふりをして会話に応じたが、どんどん近づいてくる。 「掃除機を取ってきてもらえますかなどと言って一度追い払ったのですが……。今度は自慰行為をしながら迫って来たんです。さすがに耐えかねて、『会社に連絡しますね』と言い残して、何とか部屋を抜け出しました」 訪問から1時間半程度経過した、午後4時頃だった。本来はもう30分ほど仕事をする予定だったが、CaSyの緊急電話につなぐと「そのまま家に帰って大丈夫です」と言われた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース