私は家族と暮らすのがしんどいです。虐待やDVといった問題があるわけではありません。むしろ両親の仲も良く、平和な家庭と言えます。
家族といるとき、私は自然体でいることができません。食事の席では家族の話に良いリアクションをとらないと――などと気をはっています。家族に何か相談をもちかけて適当に流されると、しばらく立ち直れないほどショックを受けてしまいます。疲れているときでも、黙りがちになって「機嫌悪い?」と言われるのが嫌で、無理に元気に見せてしまいます。
いつから、どうしてこうなってしまったのか、自分でも分かりません。とにかく早く家族と離れ、一人暮らしがしたいです。それを親に言うと「今までこんなに世話してあげてきたのに。感謝しているの?」と怒られます。もちろん感謝しているし、ずっと支えてもらってきたのもわかっています。でも、どうしようもなく家族と暮らすのがしんどくて疲れます。
「家族」は、人が最も大切にすべき存在であるのに、こんなふうに考える自分が嫌いになります。自分は人として「欠陥品」のように思えます。こんな私でも、これからの自分の努力次第で、家族と暮らしたいと思えるようになるでしょうか。
回答者 文筆業・清田隆之
家庭は平和で、特別な問題はない。でも、相談を適当に流されたり、元気ない自分を見せられなかったりするのはしんどい。家族には支えてもらった恩があり、頑張ってちゃんと振る舞おうとするも、やっぱりしんどい。家を出たいが反対され、「恩知らず」という旨のことまで言われた。そういう中で罪悪感や自己嫌悪が募り、精神的な限界を迎えているのが相談者さんの現在地だと思います。
短い相談文を読んだだけで家族のことをあれこれ決めつけることはできません。しかし、相談者さんが現にしんどさを抱えていること、両親がその声に耳を傾けてくれないことはれっきとした“問題”です。第三者の目から見たら、息子の努力や我慢によって保たれている〈平和〉は本物なのか疑わしいし、自分のことを〈欠陥品〉とまで思わせてしまうほど息子を追い込んでいる状況を思うと、両親の「今までこんなに世話してあげてきたのに」といった発言は、もはやDVに該当する内容にすら感じます。
まずもって言いたいのは、相…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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