家族葬にも儀仗隊の姿 政治リーダーの弔いと自衛隊の関係とは?

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聞き手 編集委員・塩倉裕

 故安倍晋三元首相の国葬には千数百人の自衛隊関係者が参加した。7月に執り行われた家族葬にも、自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊員の姿があった。政治リーダーの葬儀と自衛隊の関係をどう考えればいいのか。軍隊と国家儀式の関係に詳しい社会学者の粟津賢太さん(上智大学グリーフケア研究所客員研究員)に聞いた。

 安倍晋三元首相の国葬の現場には、儀礼を担当する儀仗(ぎじょう)隊員など千数百人の自衛隊関係者が参加していました。会場では、弔意を示すための弔砲や弔銃といった軍隊式の儀礼も執り行われました。

 国葬などの国家儀式の場に軍隊が関与すること自体は、諸外国でも見られることです。先日実施された英エリザベス女王の国葬でも、音楽の演奏など様々な場面で軍隊の参加場面がありました。

 たとえば弔砲という儀礼は、英国では17世紀の王政復古のころからあります。弔意を示すため21発撃つという英海軍の形式が、英国が世界の覇権国家になる過程で諸外国に踏襲されていきました。日本でも明治期に採り入れられ、明治天皇の大喪では東京・品川湾で軍艦が弔砲を1300発も撃ったとされます。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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