生活保護基準額の引き下げは違法だとして福岡県内の受給者らが引き下げの取り消しを求めた訴訟で、福岡地裁が12日に言い渡したのは、原告の請求を退ける判決だった。憲法で「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されながら、戦後最大の生活保護の引き下げで困窮する原告の受給者たち。求めたのは、「自分たちの生活実態を知ってほしい」との思いだった。
同様の裁判は全国29地裁で起こされ、原告は約900人。このうち福岡の訴訟には、福岡市や北九州市などに暮らす約80人が参加した。
福岡市城南区の男性(68)もその一人。手足がまひする難病を生まれつき抱え、約20年前からは車いすで生活する。
若い頃は、自動車の修理工場や木材の製材所などでなんとか働いていた。でも、25歳ごろから症状がひどくなり、仕事を続けられなくなった。収入がなくなり、20代後半から生活保護を受けるようになった。
両親を亡くし、近くに身寄りもない。それでもこれまで、生活保護費を節約しながらなんとか暮らしてこられた。
しかし、10年ほど前から、世間の変化を肌で感じるようになった。
「怠けている」「遊ぶために…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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