会社の給与だけでは将来が不安――。そんな心理からか、不動産投資に関心を持つ若者がコロナ禍で増えつつある。ただ、悪質な業者とのトラブルも相次いでいて、リスクに目を向ける必要がある。(阪田隼人)
都内に投資用マンション2戸を持つ会社員の男性(34)は昨年11月、銀行で記入した通帳を見て異変に気づいた。不動産会社から払われるはずの家賃が、数カ月前から全く振り込まれていなかった。慌てて会社に連絡すると、「お金がなく、振り込めない。解約するなら違約金を払ってもらう」と告げられた。
会社は朝日新聞の取材に対し、メールで回答した。約220件の契約のうち、コロナ禍による経営不振で「債務不履行になってしまった件が数十件あったことは事実」とし、多くは「話し合いのうえで事情を説明し、契約者と解約合意に至った」と主張した。
だが、男性はコロナが理由だと聞いた覚えはない。電話口の声からは、悪びれる様子さえなかったという。「最初からだます気だったに違いない」。そう考えている。
男性が不動産投資を始めたの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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