東京都江戸川区の住宅で住人男性を殺害した疑いで逮捕された同区立中学教諭の尾本幸祐容疑者(36)が、競馬で数百万円の損失を抱えていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、尾本容疑者が窃盗目的で男性方に侵入し、帰宅してきた男性を殺害した可能性があるとみて調べる。
捜査関係者によると、同庁は尾本容疑者の口座履歴を確認し、2月の事件当時、ネット競馬で数百万円の損失を出していたことを把握した。このほかに住宅ローンの支払いがあり、外国為替証拠金取引(FX)をめぐっても損失を抱えていたとみられるという。
尾本容疑者の30代の知人男性は取材に、2年ほど前に容疑者に会った際にFX投資を勧められたと証言した。尾本容疑者は「手取り足取り教えてくれる先生がいて結構、利益をあげた」と話し、「先生の言うとおりにすれば絶対に利益が上がるから」と何度も念押しされたという。
殺害された山岸正文さん(当時63)の住宅では事件後、血の付いたマスクと、黒縁の眼鏡が見つかった。同庁は、マスクや眼鏡は尾本容疑者が事件当日に残したものとみている。
マスクの血などを調べたところ、容疑者と矛盾しないと判明。同庁は事件時に被害者ともみ合いになり出血した可能性があるとみている。住宅3階からは事件前のものとみられる土足痕も見つかり、容疑者のスニーカーと同型と確認された。
同庁は、尾本容疑者が事件当時を含めて複数回、窃盗目的で山岸さん宅に侵入した疑いがあるとみている。
山岸さんは事件当日、玄関で倒れているのが見つかった。同庁は、山岸さんが近くのスーパーから帰宅した際、自宅内で尾本容疑者に襲われた可能性があるとみて調べている。
尾本容疑者は黙秘しているという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル