難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に対する嘱託殺人容疑で医師2人が京都府警に逮捕された事件で、大久保愉一(よしかず)容疑者(42)=仙台市泉区=が女性に宛てたSNSのメッセージの中に、殺害計画に関するやりとりの消去を指示する内容が含まれていたことが捜査関係者への取材でわかった。府警は関与が疑われるのを免れようとしたとみている。
女性は京都市中京区の林優里さん(当時51)で、昨年11月30日に急性薬物中毒で死亡した。捜査関係者によると、大久保容疑者とは事件当日まで面識がなかったが、2018年12月ごろにツイッター上で知り合い、安楽死に関するやりとりを重ねる中で自身への殺害を依頼したとされる。
府警は女性のパソコンの通信記録などを解析し、2人が事件前日までに、殺害の実行日時や当日の段取り、現金の支払いについて入念に打ち合わせていた形跡を確認。大久保容疑者が一連のやりとりを消去する指示を女性に送っていたことも判明したという。
女性は従う意向を示しながらも、大久保容疑者とともに逮捕された山本直樹容疑者(43)=東京都港区=の口座に振り込んだ計130万円をだまし取られることを警戒し、やりとりの記録をパソコンに保存して知人に送っていたという。
両容疑者は昨年11月30日夕、中京区のマンションの女性宅に知人を装って訪れ、付き添っていたヘルパーが別室に外した際に致死量の薬物を投与し、殺害した疑いが持たれている。滞在時間は10分程度で、府警は事前の計画に沿って殺害が実行されたとみている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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