静岡県内で強い雨が降った9日午前、富士山西側の大沢崩れ付近で、水を含んだ雪が土砂を巻き込んで流れる「スラッシュ雪崩」が起きたことが、関係者への取材で分かった。
国土交通省富士砂防事務所によると、雪崩が最初に確認されたのは同日午前8時20分ごろ。大沢崩れの標高2千メートル付近に設置されたカメラがとらえた。雪崩はその後、断続的に昼ごろまで続いたという。雪崩に含まれた土砂は標高800メートル付近にある砂防施設の大沢川遊砂地で止まり、下流の住宅などに被害はなかった。
スラッシュ雪崩は、積もっている雪に雨などが降って水分量が増え、土砂と一緒に流れ下る現象。富士山では多いときには年数回、3~5月ごろに起きるという。
富士山では8~9日にかけ雨が降り、9日午前8~9時の1時間には23ミリの強い雨が観測されていた。同事務所で雪崩の規模などを調べている。(菅尾保)
【動画】富士山で起きたスラッシュ雪崩の様子=国土交通省富士砂防事務所提供
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル