山梨県が富士山で実現をめざす登山鉄道構想の具体化に向けて動き出した。同時に、ふもとの自治体の賛否も鮮明になってきた。県は走行システムや採算性の精査を進め、自治体の理解を求めるため秋にも説明を始める。一方、反対姿勢を貫く富士吉田市は広報誌で「さまざまな観点で反対」と表明するなど構想への反発を強めている。
山梨県は構想の具体化に着手
「5合目へのアクセスを抜本的に変革していく必要があろうかと思います」
長崎幸太郎知事は9月12日の定例記者会見で、富士山登山鉄道構想を推進する意欲を改めて語った。オーバーツーリズム(観光公害)を解消し、富士山の普遍的価値を未来に引き継ぐための「切り札」として構想を位置づけた。
県はこの夏、鉄道構想の具体化に向けた検討に着手した。6月県議会で関連事業費として6200万円を盛り込んだ補正予算が成立し、導入を検討する次世代型路面電車(LRT)の運行システムや採算性の検討を進めている。9月補正予算案にも、LRT事業者や車両メーカーへのヒアリングを進めるための事業費を計上した。
県は今後、構想の具体化に向けて技術的な課題を洗い出し、解決に必要な期間を落とし込んだ工程表をつくる。県担当者は「秋には県の方針や取り組みの詳細を自治体に説明したい」と話す。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル