政府の中央防災会議の作業部会は31日、富士山で過去最大規模の噴火が起きれば、除去が必要な火山灰は約4・9億立方メートルに達するとの試算を示した。東日本大震災で出た災害廃棄物の約10倍にあたる。首都圏で交通網の乱れや停電などが起きるとし、インフラ事業者などに備えを求めた。
広域での降灰を伴う噴火は過去に何度も起きているが、現代社会への影響は詳細に検討されていなかった。専門家らでつくる作業部会は、1707年に富士山で起きた過去最大規模の「宝永噴火」と同規模の噴火を想定。降灰が与える影響を初めて具体的に予測した報告書案をまとめた。
噴火が約2週間続き、東京都心方向に風が吹いたとすると、15日後の累積降灰量は、東京都新宿区10センチ程度▽千葉県成田市3センチ程度▽横浜市2センチ程度▽神奈川県相模原市30センチ程度。ただ、天候や風向、風速により、各地で積もる量は大きく変わる。
降雨時は、道路への降灰量が3センチで車両(二輪駆動)は走れなくなり、0・5センチでも視界不良による交通渋滞が発生する。灰が3センチ以上積もった地域では、1千台の重機を使えば、噴火から4日目の朝に緊急輸送道路を開けると試算した。
地上の鉄道は微量の降灰で運行…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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