富山市で2018年、交番が襲撃され、警察官と警備員が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元自衛官島津慧大(けいた)被告(24)=富山県立山町=の裁判員裁判の判決が5日、富山地裁であった。大村泰平裁判長は無期懲役(求刑・死刑)を言い渡した。
起訴状によると、被告は18年6月26日、富山市久方町の奥田交番付近で稲泉健一警部補(当時46)を刃物で殺害して拳銃を奪い、近くの小学校にいた警備員の中村信一さん(同68)を射殺するなどしたとされる。
争点は、法定刑が死刑または無期懲役の強盗殺人罪が成立するかどうか、事件後に診断された自閉症スペクトラム障害(ASD)が影響したかどうかだった。
検察側は、拳銃を奪うつもりで警察官を殺害したとして強盗殺人罪を主張。社会への不平・不満から警察官と戦って力を示したいという「身勝手で理不尽な動機」と指摘し、ASDの影響は間接的・限定的として死刑を求刑した。
弁護側は、警察官の殺害後に拳銃を奪おうとしたとして、殺人と窃盗罪にとどまると反論。ASDの影響で、いじめなどを受けたこと、適切な療育や支援がなかったことを挙げ無期懲役を求めた。
被告は裁判で認否や質問に一切答えず、何も語らなかった。(竹田和博)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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