富山県の日本海沿岸に、ちょっと不思議な街があります。外国語の看板やカレー店が多く、イスラム教の礼拝堂モスクも。パキスタンからの移民が自然に集まってきた射水(いみず)市です。日本人住民との摩擦、そして連帯。それぞれの思いを聞きます。
国道8号は、日本海の海岸線と平行に富山県を東西に横断する。ありふれた地方都市の幹線道路。だが、県西部の射水市周辺は一風変わっている。
フェンスや有刺鉄線に囲まれた土地に、「Used Cars」の看板が並ぶ。ロシア語もある。一帯は、パキスタン人移民の中古車販売店が集中している。だれ言うともなく「イミズスタン」と呼ばれている。
店舗の一つ、ベーラム・ナワブ・アリさん(60)の店のある日は、こんな感じだった。
「エクストレイルは今日買えませんでした。ごめんね。明日、絶対。ダワイ(またね)」。ソファにいるロシア人客をなだめる。隣のパキスタン人の同僚に「ランクル(ランドクルーザー)は買えた?」とウルドゥー語で話しかける。「どの車? ワッツアップ(通信アプリ)に送って」。携帯電話には英語で応対。南アフリカの客からだった。
海岸ビジネス街として自然発生
イミズスタンは1990年ご…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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