川村直子、北村有樹子
寝たきりのベッドの上で脳性まひの女性が紡ぐ詩が、じわりと広がっている。今月下旬には、歌手で俳優の杉良太郎さん(77)が、その詩をもとに手がけた楽曲CDが発売される。
東京都板橋区の堀江菜穂子さん(27)は、生まれたときから体がほとんど動かず、言葉を話せない。わずかに動く指で書き続けてきた一千編を超える詩のうち51編を収めた詩集「さくらのこえ」が、2015年、ボランティアらの手で発行された。
その後、17年には詩集「いきていてこそ」が出版され、詩から発想を得た合唱組曲の制作や演奏会があったり、韓国で出版されたり、英訳本が作られたりと、さまざまな反響があった。
そんななか、昨年5月、杉良太郎さんが詩集を手にした。「命の叫びのような詩。美しいだけじゃなく、いろんな感情が濾過(ろか)されて出てきた詩の生々しさを感じた」。
このひろいせかいのなかで わたしはたったひとり (中略) それがどんなにふじゆうだとしても わたしのかわりはだれもいないのだから わたしはわたしのじんせいを どうどうといきる(「せかいのなかで」堀江菜穂子)
杉さんはこのメッセージを「詩だけにとどめず、歌にして届けたい」と堀江さんに連絡。制作にとりかかった。歌詞にする際には、こんなふうに手を加えた。
この広い世界の中で 私もあ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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