2015年に大阪府寝屋川市の中学1年の男女2人を殺害したとして、一審で死刑判決を受けた山田浩二被告(49)が、再び控訴取り下げを求める書面を24日付で提出したことがわかった。1度目の取り下げは大阪高裁が「無効」と判断した後、高裁の別の裁判長が審理を差し戻すなど異例の展開が続いている。
大阪高裁によると、山田被告は24日付で、昨年5月18日に続いて2度目となる控訴取り下げの書面を提出した。被告が2度にわたって控訴の取り下げを求めるのは極めて異例で、高裁は書面の取り扱いを協議するという。
1度目の控訴取り下げでは、大阪高裁第6刑事部の村山浩昭裁判長が、取り下げを「無効」と主張する弁護側の申し立てを受けて昨年12月、山田被告は拘置所でボールペンの返却をめぐって刑務官と口論になった末、自暴自棄になって控訴を取り下げたと指摘。「(死刑判決を)ただちに確定させてしまうことには強い違和感と深い躊躇(ちゅうちょ)を覚える」などとして無効と判断した。
だが、検察側の不服申し立てを受けた異議審で、高裁第1刑事部の和田真裁判長は今月16日、「強い違和感や深い躊躇」は根拠にならないとして、第6刑事部の決定を取り消して審理を差し戻し。弁護側が23日付で最高裁に特別抗告を申し立てている。
日本の刑事訴訟法では弁護人が同意しなくても、被告本人の申し出だけで控訴取り下げが認められる。死刑囚が控訴を取り下げた場合は通常は死刑が確定するが、弁護人が無効だと主張した場合にどう判断するかは明確な規定がない。(遠藤隆史)
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〈寝屋川中1殺害事件〉 2015年8月に平田奈津美さん(当時13)と星野凌斗さん(同12)を窒息死させて殺害したとして、山田死刑囚は18年12月、求刑通り死刑判決を大阪地裁で受けた。「星野さんは体調不良で亡くなった」として無罪を主張するなどしていた山田死刑囚側は控訴したが、山田死刑囚が19年5月に取り下げた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル