審理してない東京高裁の裁判官、判決文に署名 最高裁が法違反と認定

 民事訴訟法に反して、審理に関わっていない裁判官が判決文に署名していたことがわかった。最高裁第一小法廷(深山卓也裁判長)が3日、未払い賃金訴訟の上告審判決で、二審・東京高裁が出した判決に明らかな手続き違反があったと指摘した。このため高裁判決は破棄され、審理は高裁に差し戻しとなった。

 この訴訟は、原告の元トラック運転手2人が未払い賃金の支払いを運送会社に求めたもの。一、二審とも原告の主張を一部認め、原告、被告双方が上告した。

 第一小法廷は判決で「職権で調査した」としたうえで、「判決の基本となる弁論に関与していない裁判官が署名押印した」と説明。弁論に関わった裁判官が判決をすると定めた民訴法249条1項に違反すると認めた。そのうえで「上告理由を判断するまでもなく、審理を差し戻すのが相当だ」と述べた。

 第一小法廷は違反が起きた理…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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