東郷隆、高木智也
寺田稔総務相の妻が代表の政治団体の人件費をめぐって脱税の疑いがあるなどと週刊文春が報じたことについて、寺田氏は7日の閣議後の記者会見で「事実に反することで誠に遺憾だ。課税対象となるものについては税金を払っている。脱税の事実もない」と否定した。
文春が指摘した妻が代表の政治団体「以正会」の政治資金収支報告書によると、2016年~20年、毎年約530万~約570万円を人件費として支出。文春はスタッフに支払う際に源泉徴収せず脱税していた疑惑があると報じていた。寺田氏は会見で「源泉徴収義務を伴う常勤職員ではない方々だった。顧問税理士とも相談し、税務署の方も了解を得た形での税法上の処理となっている」と述べた。
また、文春は寺田氏が支部長の「自由民主党広島県第五選挙区支部」と「寺田稔呉後援会」が、事務所を置く広島県呉市のビルを寺田氏と共に区分所有する妻に対し、賃料を支払っていたとも報じた。
両団体の政治資金収支報告書によると、09年~20年に計3255万円を妻に支払っていた。寺田氏は「適正な賃料の支払いであり、政治資金規正法上も税法上も合法的な行為だ」と述べ、賃料については「顧問税理士と相談し適正な価格を設定している」と説明。身内への資金の還流との指摘には「(妻は)扶養親族ではなく、独立採算でやっている。所有者が第三者であっても配偶者であっても取り扱いを変えることは税法上の公平性に反する」などと主張した。
立憲民主党は7日、寺田氏に対して関係書類の提出などを求める公開質問状を提出したと発表。総務省は政治資金の所管省庁だとして、山井和則国会対策委員長代理は「違法か合法か判断する責任者がこういうことで大丈夫なのか」と語り、事実解明が必要との認識を示した。(東郷隆、高木智也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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