大規模イベントの入場制限緩和に向け、横浜スタジアム(横浜市)で30日から、プロ野球の試合を満席に近い形にした実証実験が始まる。新型コロナウイルスの感染防止と両立できれば、来夏の東京五輪も観客を入れられると関係者は意気込むが、野球ファンからは「リスクが高そう」と不安の声が漏れ、チケットの売れ行きは低調だ。
実験は政府の分科会の了承を得て、30日~11月1日の3日間、横浜DeNAベイスターズ―阪神タイガースの3連戦で行う。入退場時の人の流れを確認するほか、マスクをした観客の声援で飛沫(ひまつ)がどのぐらい広がるのかを検証したり、接触確認アプリやLINEを使って感染者が出たときに通知したりすることを想定している。神奈川県や横浜市のほか、NECやLINE、KDDI、ベイスターズ親会社のディー・エヌ・エーなどが参加する。
プロ野球やサッカー・Jリーグなどの試合は9月19日から観客5千人の上限が緩和され、収容人数の50%まで認められた。今回は30日が販売可能な席数(約3万2千席)の80%、31日が90%、11月1日が満席と、段階的に上限を増やしていく計画だ。球団は観客を増やすため、チケットを最大35%割り引いたり、ユニホームを特典として付けたりして販売している。
昨季までDeNAのチケットは入手が難しかったが、売れ行きは芳しくない。球団は販売状況を明らかにしていないが、公式サイトを見ると、28日午後7時現在で、3日間とも複数の席種で空席が残っている状態だ。セ・リーグは巨人の優勝が間近で、DeNAは優勝を逃した責任を取り、ラミレス監督の今季限りでの退任が決まっている。今年はコロナ禍で、セ・リーグは日本シリーズ進出を争うクライマックスシリーズがないことなどが影響していそうだ。
「そもそも無料で実施すべき」 疑問や不安の声も
さらに、実験を巡っては、ツイ…
2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル