陸上自衛隊は8日、奄美駐屯地(鹿児島県奄美市)で、敵艦艇を迎え撃つミサイル「12式地対艦誘導弾」の射撃態勢をとる訓練を報道公開した。長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」として改修・量産されるもので、ミサイル網が構築されつつある南西地域に配備されれば中国本土も射程に収めることになる。
トラック型の発射装置が機械音を上げ、ミサイルが収まる荷台部分を上空へ向けた。ミサイルの射程は約200キロ。防衛省は1千キロ程度に伸ばす能力向上型を開発しており、日本を攻撃しようとする他国を攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」を備えるとみなされる可能性がある。
車両から射撃するタイプは来年度に量産を前倒しし、部隊への早期配備を目指す。将来的には艦艇や航空機から射撃するタイプの配備も見据える。どちらも相手国への接近が可能で、攻撃性はより高まるとみられる。
同省が長射程化を急ぐのは台湾有事が現実味を帯びつつあることも背景にある。防衛省は奄美や沖縄にミサイル部隊の配備を進める。一方、長射程化すれば発射地点を敵から遠ざけることも可能になるといい、自衛隊関係者は「戦略の選択肢を広げることにつながる」と話す。
この日、駐屯地を視察した米…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル