遠山武
福岡県築上郡の町立小学校で登校できなくなった女子児童について、学校が設置した調査委員会がいじめに関して調査した際、女児や保護者に聞き取りをせず、委員の氏名も保護者側に示さないまま報告書を作成していたことが分かった。文部科学省のガイドラインは調査での聞き取りを求めており、学校は対応に不十分な点があったと認めた。
学校と町教育委員会によると、女児は1月下旬、放課後児童クラブで同級生から「死ね」などと言われ、手で足をたたかれた。その後、体調を崩し、2月半ばから3月にかけてほとんど欠席。4月以降は少しずつ登校が増えているという。
学校は4月下旬、いじめ防止対策推進法にもとづく「重大事態」と認定。校長や教頭、町教委担当者のほか、児童心理や福祉、教育に詳しい第三者を加えた計6人の調査委員会を設置。委員長は校長が務めた。
学校側は欠席が続いた当初、女児と保護者、加害側の児童らへの聞き取りを実施。調査委は設置後、女児らに改めて話は聞かず、当初の聞き取り内容を受け入れる形で調査を進め、同級生の発言やたたいた行為をいじめと認めたという。
調査委は町教委に提出する報告書案をまとめ、10月下旬に保護者に提示。保護者は調査委による聞き取りが行われていないことや、委員の氏名が示されていないことなど、文科省のガイドラインに触れる点を指摘したという。校長は「できることをやったつもりだが、十分でない点もあった」と話し、今後の対応を調査委に諮るとしている。(遠山武)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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