小学校のすぐそばに、倒壊した建物が放置されている。子どもたちが毎日通る通学路沿い。「危険だから何とかして欲しい」と地元住民が声を上げて6年――。やっと撤去されることが決まった。
高知を代表する観光地・桂浜に近い高知市立浦戸小学校。正門から南に60メートルほどの道路沿いに、崩れかかった建物がある。赤茶色にさびた鉄骨は大きくゆがみ、白色のモルタルの壁がはがれ落ちている。
「前々から危ないと思っていた。強制的に撤去して欲しいと何度も頼んだが、一向に手をつけてくれなかった」と、近くに住む男性は憤る。
市や近所の人によると元々は木造2階建ての旅館(延べ床面積約216平方メートル)だった。建築された時期は不明だが、1980年に営業を始め、港湾工事の作業員らが定宿とした。6部屋すべてが埋まることもあったという。2010年代に営業を取りやめたとみられている。
17年10月、地元住民から高知市建築指導課に連絡があった。「危険な空き家があるので何とかしてほしい」
担当者が現地に出向くと、すでに建物は半壊状態。崩れた外壁が風で吹き飛ばされる危険性があった。
高知は台風などの自然災害が多いところです。地元の不安は大きなものでした。専門家は「なぜここまで時間がかかったのか疑問」「地元への想像力に欠けている」と指摘しています。
「空き家対策特別措置法」では、倒壊のおそれや景観面で悪影響を及ぼす物件を、自治体が「特定空き家」に指定。持ち主に補修や取り壊しを命じることができると定めている。
しかし旅館の経営者はすでに死亡。親族らも相続を放棄し、建物は「持ち主」不在の状態だった。
ここで意外な事実が判明した…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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