北京冬季五輪のスノーボード・ビッグエアで15日、高校2年生の村瀬心椛(ここも)選手(17)が銅メダルを獲得。冬季五輪の日本女子メダリストの最年少記録を更新した。この種目で日本勢がメダルを取るのも初めてだ。幼いころから「勝負の世界」に身を置いてきた村瀬選手には、近くにいるとリラックスできるある人の存在があった。
「中学生の時から、ストイックで『カッコイイ』にこだわっている子でした」
海外遠征でジュニア選手を引率し、小学生の頃から村瀬選手を知る日本スノーボード協会の石原繁国際委員長(58)はそう語る。
今大会でも村瀬選手は試合前のインタビューで「カッコイイ滑りで表彰台に」と話していた。
両親も妹の由徠(ゆら)選手もスノーボーダーだ。小学生時代にプロ宣言し、2016年から、18歳以下が参加できる大会「ワールドルーキーツアー」に参加していた。
石原さんの印象に残っているのは、遠征中にリフトに乗るときも、村瀬選手は一人が多かったことだ。
「練習中も集中していて、冗談をかわしたりしない。子どもながらに孤高な印象があった。自分がなりたい姿に近づくために必死だったのだと思う」
海外の大会に慣れていない子どもたちは、入国審査などで大人を頼りがちだが、村瀬選手はホテル名、審査書類の書き方、すべて自分で調べ、英語も積極的に話そうとしていたという。
そんな村瀬選手が慕い、いつも後ろをついて回っていた人がいた。
「麗楽(れいら)ちゃんの技を自分もやりたい」
「麗楽ちゃんと同じボードのセッティングをしてみたい」
「麗楽ちゃんと同じゴーグルを着けたい」
「洋服も一緒にしたい」
今大会、縦3回転の超大技トリプルコークで勝負に出たが転倒し、4位となった岩渕麗楽選手(20)だ。
中学時代から難度の高い技をやっていた岩渕選手に憧れ「何でもまねしたい時期があった」と石原さんは笑う。
石原さんは「心椛にとっては初めての五輪。麗楽と一緒に出られて、リラックスできたことがいい結果に結びついたと思う」と喜んだ。(江戸川夏樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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