新郎新婦の門出をまちぐるみで祝う山口県光市の活動が、個性豊かで優れた地域の催しを表彰する「ふるさとイベント大賞」に入賞した。市長が立会人を務める人前結婚式は、子どもたちの飾りが会場を彩り、吹奏楽の演奏がパレードを盛り上げる。多くの市民が登場する「おせっかい」な結婚式は、若者の定住意識を高め、まちへの愛着を培ったと高く評価された。
「まちぐるみWedding」と銘打ち、住民有志でつくる光市おせっかいプロジェクトチームと光市が2017年に始めた。募集したカップルの結婚式や会場の飾り付け、余興などを企画し、市民に協力を要請。17年に120人、18年に200人が参列した。
1600人以上が参加した19年は、園児の歌に見送られて新郎新婦がJR山陽線の岩田駅から出発。島田駅近くでは線路沿いで住民100人が手を振って祝福した。到着した光駅のホームで市川熙市長を立会人に人前結婚式が開かれ、その装飾は小学生千人が担当した。
さらに、道路を通行止めにし、中学生による吹奏楽の演奏でパレード。虹ケ浜海岸では参列者も一緒に「亭主関白・かかあ天下争奪大綱引き」をし、新郎新婦による餅まきで締めくくった。昨年は新型コロナの影響で中止となったが、今後も続けたいという。
ふるさとイベント大賞は一般財団法人地域活性化センター(東京)の主催。25回目の今回は全国から125件の応募があり、この活動は「ふるさとキラリ賞」に選ばれた。
チーム代表の佐々木淳志さん(40)は岡山からの移住者。「『おせっかい』には相手を思いやる優しさがある。光市には世話を焼きたがる人が多く、それを形にして発信したかった」と話す。受賞については「多くの方にボランティアで力を貸していただいた。そのことが報われてうれしい」と喜んだ。(垣花昌弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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