小柴昌俊さんの長男で香川大教授の俊さん(60)が13日、自宅前で取材に応じ、「勉強や研究には厳しかったが、自然科学の面白さを教えてくれたのも父だった」と振り返った。
小柴さんがノーベル賞を受賞したのは、東大退官から約15年たった76歳の時。「当時は車いすで元気もなかったが、受賞後に平成基礎科学財団を立ち上げるなど元気をもらった。受賞は贈り物だった」と振り返った。
父親の背中を追い、研究者の道に進んだ。車の中などで、お互いの実験装置のことをよく話し合ったという。「予想外の結果がでた時こそ、真実の面白さがあると教えてくれました」
小柴さんは今春、肺水腫で都内の病院に入院。入院食よりゼリーやプリン、アイスなど甘い物ばかり食べていたといい、「不摂生の限りを尽くしたが、この年までよく生きてくれた」。
12日、病院から連絡を受けて香川から病院に駆けつけた。最期は、妻慶子さんや親戚に見守られて息を引き取ったという。「いい弟子や先輩にめぐりあい、周りの人に助けられながらノーベル賞につながる成果をだせた。94年間ご苦労さまと言いたい」(石倉徹也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル