小池知事、今年も追悼文送らず 関東大震災の朝鮮人虐殺

 関東大震災から96年を迎えた1日、震災の混乱の中で虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典が東京都墨田区の横網町公園で開かれ、約700人(主催者発表)が参列した。小池百合子都知事は3年連続で追悼文の送付を見送った。主催者からは「事実の風化につながる」と批判の声が上がった。

 政府の中央防災会議が2009年までにまとめた報告書によると、震災後に「朝鮮人が略奪や放火をした」などの流言が広まり、各地の「自警団」などが朝鮮人らを殺害する事件が多発した。1千~数千人が殺されたと推計し、「虐殺という表現が妥当する例が多かった」と記している。

 式典は、虐殺された朝鮮人らを追悼するために市民団体などが毎年開催。今年の式典では、河野洋平・元衆院議長が「歴史を銘記して語り伝えることによって、民族差別とは無縁の社会を作っていきたい」とするメッセージを寄せた。

 歴代の都知事は式典に追悼文を寄せており、小池知事も就任直後の16年は送付した。だが翌17年からは「震災の犠牲者全てを対象とする法要で哀悼の意を示している」として、取りやめた。小池知事は虐殺についても「様々な見方がある」とあいまいな言い方を続けており、式典の実行委員会が8月下旬に抗議声明を発表していた。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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