小泉今日子さんが語る井上ひさし作品 「小さいとき、出会っていた」

坂田達郎

 作家・劇作家の故井上ひさしさんをしのぶ「吉里吉里忌(きりきりき)」が、命日となる4月9日、生まれ故郷の山形県川西町フレンドリープラザであった。俳優・歌手の小泉今日子さん(57)が、約700人を前に作品への思いをたっぷりと語った。

 2010年4月9日に75歳で亡くなった井上さんの文学忌。ゆかりのある人たちが人柄や業績を語り継ぎ、9回目を迎えた。

 小泉さんは作品との出会いから話し始めた。

 「歌手としてデビューしたころは人見知りで、テレビ局やスタジオの待ち時間はいつも本を読んでいました」。そんな17、18歳のとき、「本が好きなの?」と声をかけてきたのが、構成作家や作詞家をしていた秋元康さんだった。

 次に出会ったとき、手渡されたのが小説集「十二人の手紙」。その中の「赤い手」は、1人の女性の人生を出生届や死亡届などの各種証明書や手紙で伝え、「その人の全人生を感じられ、こんなことができるのはすごい」と感じたと紹介。「赤い手」を約30分間、朗読した。

 人形劇「ひょっこりひょうたん島」を絵本で知り、テレビアニメ「ひみつのアッコちゃん」の歌を歌うなど、井上さんの脚本や歌詞に親しんできた小泉さん。生前は会う機会がなかったが、「小さいとき、ちゃんと井上ひさしさんと出会っていたんだと、いまさらながらに感動しました」と話していた。(坂田達郎)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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