小泉八雲が見た感染症 患者への「優しさ」、丁寧に描く

 新型コロナウイルスが世界で猛威をふるう。130年前に来日した松江ゆかりの作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、1850~1904)はジャーナリストとして世界を巡る中で、数度感染症の流行に遭遇した。小泉八雲記念館(松江市奥谷町)の小泉凡館長(58)は「ハーンの感染症の蔓延(まんえん)を描く視点は、新型コロナウイルスの感染が広がる現代にも示唆を与える」と語る。

 八雲は英字紙「神戸クロニクル」の記者として1894年に神戸に来た。そこで遭遇した致死率の高い感染症「コレラ」の流行について書いている。

 八雲の著作「コレラ流行期に」(「心」所収、平井呈一訳)では、神戸の自宅前の通りで、次々とコレラ患者が発生して病院に搬送される様子が描かれる。「瀬戸物屋の主人は、家人が涙を流して、おいおい言って泣くのもかまわず、むりむたいに連れて行かれた」と残された家族の悲しみを表現する。

 一方で、コレラ患者であふれか…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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