東京都内を走る小田急線の車内で乗客が男に襲われ10人が重軽傷を負った事件で、車載の防犯カメラに事件当時の映像が記録されていたことが捜査関係者の話でわかった。殺人未遂容疑で逮捕された自称派遣会社員の対馬悠介容疑者(36)=川崎市多摩区=が包丁で被害女性の胸を刺したり、切りつけたりする様子が映っていたという。
小田急電鉄の説明では、防犯カメラは車両に4台ずつ設置されている。捜査関係者によると、カメラの映像には、対馬容疑者が座っていた女性の胸を突然包丁で刺し、逃げようとする女性を後ろから何度も切りつける様子が映っていた。その後も車両を移りながら、数分間のうちに乗客を次々と襲い、降車して逃げたとみられるという。
8日の現場検証で警視庁は、現場に残されていたバッグに衣類やはさみがあったことを確認。対馬容疑者は「はさみは包丁の予備だった」と説明しているといい、警視庁は逃走のために衣類を用意した疑いがあるとみて調べている。
対馬容疑者は調べに「多くの人を殺したかった」「人が油断して逃げ場がなく、大量に人を殺せるので電車を選んだ」と話していることが判明している。捜査関係者によると、多くの人でにぎわう東京・渋谷のスクランブル交差点を狙うことも考えたと話し、「幸せそうにする人が大勢いるので爆破しようと思った」とも述べているという。
対馬容疑者の逮捕容疑は、6日午後8時半ごろ、東京都世田谷区の成城学園前―祖師ケ谷大蔵間を走行していた小田急線の快速急行で、20代の女子大学生の胸や背中を包丁(刃渡り約20センチ)で刺して殺害しようとしたというもの。大学生は重傷を負った。警視庁は対馬容疑者宅の家宅捜索を進めており、事件の経緯や生活実態なども明らかにしたい考えだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル